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『90ミニッツ』 [演劇]

今年50歳を迎えることから銘打った「三谷幸喜大感謝祭」、そのLASTを飾る舞台。

『90ミニッツ』 (作・演出:三谷幸喜)

タイトルどおり90分間ノンストップ。
三谷氏と同世代の役者による二人芝居。


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              来年2月に追加公演決定


大学病院の一室。
白いカーテンを周囲に、整形外科医西村雅彦)のデスクと、向い合う形に小さなソファだけ。

交通事故で重傷を負った9歳の少年が救急車でこの病院に運ばれてきた。
すぐに手術をすれば助かる状態だが、少年の父近藤芳正)が強く拒む。
少年たち一家が暮らす地域は独特の風習を持ち、輸血を忌み嫌う歴史があった。

“反すれば地域に留まることは許されず、生活の基盤も失ってしまいます”
≪そんな体面より何より大切なのは、息子さんの命ではありませんか≫

“それならば、輸血なしで手術をしてほしい”
≪手術をするということは、輸血をするということです≫

二人はそれぞれの立場から当然の主張を繰り返す。

父親には、強力な援軍として妻が地元に待機しており、
医師は、部長に昇任する絶好の機会を迎えていて、
お互い譲れない事情があった。

少年を救いたい思いを共有しながら、何も決まらず時間だけが過ぎてゆく。

とうとう少年は危篤状態に陥ってしまう。
もはや一刻の猶予もない。
芝居の間中、舞台前面の天井から一筋の水が落ち続ける仕掛けが、緊迫感を高める。

どちらかが折れなければ、少年の命は救えない。
このまま少年を死なせていいのか。
下した結論は・・・。

「あなたの運命は、瞬間ごとの決意によって作られている」
プログラムに転載された、アンソニー・ロビンズの言葉に大納得。
それを象徴する芝居でもあった。

三谷氏の同じ二人芝居「笑の大学」でも共演した二人だから、安心して観ていられた。
余談になるが、後方の座席だったので、周りで咳き込まれると聞きとりにくい場面があった。
今回のような言葉だけの芝居、自戒も込めて上演中の咳には注意したい。




<最近の陸>

15歳を超えて、なにやら人間に近づいたと思える陸です。
時間は短くなりましたが、今でも朝晩の散歩は欠かせません。


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                説教調な陸

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                ナルシストな陸

(おまけ)

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               昔はベッドをひっくり返しました 今はここまで


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「黒い十人の女」 [演劇]

今年初めてのKERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)の芝居。
全方位フリーの青山円形劇場にて。

ナイロン100℃ 36th SESSION 「黒い十人の女~version100℃~」
                      (上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)


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              青山円形劇場にて

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             隣の青山劇場 「スウィーニー・トッド」の開場待ち

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『ろくでなし啄木』 [演劇]

年が明けてから、週1本のペースで芝居を観ている。
なかでも、これははずせない。

『ろくでなし啄木』 (作・演出:三谷幸喜)

登場人物は、藤原竜也・中村勘太郎・吹石一恵の3人。
彼らは同世代(8182年生れ)で、2004年の大河ドラマ『新選組!』にも共演している。
そもそもこの芝居、その『新選組!』が縁で生まれた企画だったとか。


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『表に出ろいっ!』 [演劇]

暑さ寒さも彼岸まで。
今年もようやくそんな季節がやってきた。
こんな時には、テンポの良い芝居をひとつ。

NODA
MAP番外公演 『表に出ろいっ!』 (作・演出:野田秀樹)


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『叔母との旅』から [演劇]

「旅」に出れば、何か起こりそうな予感がある。
題名に惹かれて観た芝居だった。

『叔母との旅』 (原作:グレアム・グリーン、翻訳:小田島恒志、演出:松村武)


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『かたりの椅子』 [演劇]

井上ひさしさん(作家・劇作家)が亡くなった。

その訃報が伝えられた直後に観た芝居。
偶然にも、この芝居には井上さんの見えざる力が働いていた。

二兎社公演 『かたりの椅子』 (作・演出:永井愛)


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もともとの背景にあるのは、新国立劇場の演劇部門芸術監督の交代人事問題。(詳細は こちら
理事会で、永井がこれに異議を唱えるが、相手にされず発言を封じられた経緯がある。

新国立という名の通り、この劇場の運営は国に繋がっていて、
理事会トップの理事長には、かつて大臣も務めた官僚出身者が座る。
理事会は自由な議論を阻み、粛々と進んだ。

『このことを面白いお芝居にするべきです』328asahi.comより)
そう言って永井を励ましたのは、他ならぬ井上さんだった。

そして、面白いお芝居になった。

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『上海バンスキング』 [演劇]

一度は観たかった芝居。
でも、気が付いた時にはもう上演されなくなった芝居。
そんな伝説の芝居が16年ぶりに同じキャストで復活した。

『上海バンスキング』 (作:斎藤憐、演出:串田和美)


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ポスターの前には当日券を求めて並ぶ人々が

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ツレナイお知らせ
            
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キャストは公演1時間前に発表

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「富士見町アパートメント」 [演劇]

3月に入って、久しぶりの芝居。
同じ舞台装置で、1時間ずつ4つの作品を上演するというユニークな企画。
テーマもキャストも全く異なる物語を4人の人気劇作家がそれぞれに書き下ろし、これを企画した鈴木裕美が全作を演出した。
昨年5月にオープンしたばかりの「座・高円寺」で上演するのも魅力のひとつ。

自転車キンクリートSTORE 「富士見町アパートメント」 (企画・演出:鈴木裕美)


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『大江戸りびんぐでっど』 [演劇]

ぼやぼやしているうちに、今年も残り僅かになった。
残り僅かと言えば、歌舞伎座も来年の建て替えに向けてカウントダウンが始まっている。
劇場正面には、残りの日にちを記した電光掲示板も。

今回のお目当ては、「歌舞伎座さよなら公演~ 十二月大歌舞伎」昼の部から
『大江戸りびんぐでっど』(作・演出:宮藤官九郎)


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中村勘三郎からのオファーで、宮藤官九郎ことクドカンが歌舞伎に初めて挑戦した作品。

“やることはやった。面白いと思う。歌舞伎かどうかは分からない。でも現代の歌舞伎俳優とスタッフが面白がって本気で作ったこの作品がもし歌舞伎じゃないとしたら、俺は一生歌舞伎が何だか分からないと思う” (宮藤官九郎~「十二月大歌舞伎」筋書より)

イヤホンガイドに収録された勘三郎との対談では、
“1時間40分、我慢して頂ければ終わりますから”。

ともかく、幕が上がった。

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『コースト・オブ・ユートピア』 [演劇]

「暑さ寒さも彼岸まで」
というが、今日が彼岸、秋分の日。
時間が経つのは本当に早い。
この芝居を観てからも、もう1週間が過ぎた。

Bunkamura
20周年記念特別企画
『コースト・オブ・ユートピア ~ユートピアの岸へ』 (作:トム・ストッパード、演出:蜷川幸雄)

ステージを中央に据えて、それを客席が囲むスタイル。
開演前、そのステージでは、長テーブルを前にして、役者たちがゆったりと談笑している。
リハーサル前の稽古場風景のように思えて、興味津々。
長い芝居が始まる前という緊張感を和らげる効果もあった。

そして、テーブルや椅子が片付けられ、観客の目前で舞台衣装への着替えが始まる。


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セット券 2日目に「C」、3日目に「U」のゴム印を押される

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